妻が借金、夫の私に返済の義務があるか?

妻が借金、夫の私に返済の義務があるか?

妻が泊りがけで友人と同窓会に出かけた夜、たまたま知り合いから電話がありました。

知り合いが言うには「奥さんがお金を借りているようだ。ATMで何度も見かけたよ。」とのこと。

「大きな金額にならないうちに奥さんに確認してみては。」と言うのです。

Aさんには心当たりはないのですが、ちょうど娘が高校に入学する頃、Aさん自身が病気になり、長期入院を余儀なくされたことがありました。

あの頃、家計が大変だったのではないかと、今になれば思うのです。

病気の自分に相談もできず、借金をしたのでは・・・
と妻に申し訳なく思う一方で借金が多額だった場合どうしたらいいのか?
また連帯保証人になっていない私にも返済義務があるのだろうか・・・

とAさんは悩んでいます。

後日妻に確認したところ、借金をしており、お金は娘の入学金や授業料、Aさんの入院費などに充てたことがわかりました。

ノートに借金額もきちんと記されており、使ったお金については記載とともに領収書も保管されてありました。

生活費

泣きながら詫びる妻を前に、申し訳ない気持ちと返済に対する不安な気持ちでAさんは心が押しつぶされそうになっています。

自分の知らないところでお金借りていたらどうする?

配偶者の知らないうちに、借金をしていたという話は誰にでも起こりうることで、今や珍しい話ではありません。

それが原因で離婚というようなケースもよく耳にします。

Aさんには高校生の娘さんもいますし、どうやら借金は妻の遊興費でもなさそうなことから、当然離婚は回避し、借金も完済したいと考えていることでしょう。

借金の返済義務を負うのは、お金の借主と保証人だけです。

夫婦であっても、保証人になっていなければお互いが作った借金の返済義務は負わないということになっています。

つまり、Aさんに返済義務はなく、取り立てを受けることはありません。

ただし、ここでホッとするのはまだ早いのです。

大事

問題は何のための借金だったのかということなのです。

民法では借金の理由が、生活費の場合はお互いに連帯して支払い義務を負うということになっています。

つまり、妻が返済できなければ、夫であるAさんに返済義務があるということです。

借金をした理由とその使い道

この生活費には借金の理由にもなっていた娘さんの教育費、Aさんの医療費なども含まれます。

衣食住に関わる費用

電気代、ガス代、水道代などの光熱水費
交際費
自動車の維持費など
生活を維持していくために様々な費用がかかります。

おそらく世の男性に多く見られるように、Aさんも毎月の収入から妻に生活費を渡して家計をやりくりしてもらっていたのではないでしょうか。

家計については夫にも責任があるわけで、「妻がやったことだから、私には関係のないことだ。」などという言い訳は通用しないのです。

しかし、生活費に当たるかどうかは内容によっては微妙なものもありますから、これは専門家などに判断してもらうことも必要になります。

たとえばこの借金について裁判などで争われることになった場合、Aさん夫婦の収入の額やライフスタイルなども判断の材料になります。

認められる主なもの

先に述べたもののほかに、

  • 食料品や日用品
  • 家賃
  • 子どもの学習教材や服
  • テレビの受信料など

逆に認められないもの

  • 月収に対してあまりにも高価な電化製品
  • 妻が仕事上で負った借金
  • 宝石や毛皮などの贅沢品
  • 妻のホスト通い
  • ギャンブルなど分不相応なものや生活レベルからかけ離れたもの。

借金には夫婦の問題も大きく影響します。

夫婦で借金の原因について冷静に話し合う機会を持たなければ解決しないと思います。

今回のケース

Aさんの入院で収入が少なかったことと、たまたま娘さんの進学と重なってしまったため、借金しなければやりくりできない状況であったという可能性もあります。

夫を支える妻としては、病気の夫に対し「あなたの収入が少なかったから」というようなことは言いづらかったのかもしれませんね。

夫婦のトラブルだけでなく、すべての人間関係のトラブルにも言えることですが、これからトラブルを起こさない、また起きてしまったトラブルの解決のためにも、コミュニケーションはとても必要なことなのです。

話し合いが円滑に進まなかったり、法的な解決が有効であると考えられる場合は、弁護士や消費生活センターに相談されることをお勧めしたいと思います。

このケースのように生活費補填の借金の場合はAさん夫婦で返済しなければなりませんが、これを返済するにあたり、法定利息を超えるような利息を請求された場合は我慢することはありません。こちらもすぐに専門機関への相談をするようにしましょう。

生活費なら返済義務が生じますが、借金が妻の遊興費となるとそうはいきません。

夫が保証人になっているのなら返済の義務が出てくるわけですが、そうでなければ妻の責任で返済することになります。

理由が何であれ、借金に一度手を出してしまうと癖になってしまいます。

夫婦の考えもあるでしょうが、こうなった場合は一方的に責任を押し付けず、どうしてこうなったのか、これからどうしていくのか十分話し合う必要があるでしょう。

1日でも早く返済をしたいのはわかりますが、もし借金が癖になっているようであれば、簡単に肩代わりするのではなく、働いて返済するための環境を作るなど返済のサポートをすることも大切なことだと思います。

痛みを感じなければ、繰り返してしまうケースが多いからです。

どうしても返済が難しいケースであれば弁護士に相談し、債務整理を行うことで解決することもできます。

相談には夫婦で行きましょう。

この借金問題は夫婦の問題なのです。

一緒に乗り切らなければならない問題です。

債務整理をしたらまた一から立て直していけばいいのです。