5社への返済に限界!知恵袋の回答でおまとめローンで楽になると言われた
借金問題に悩む独身34歳男性からの相談です。
5社から合計で360万円を現在借りている状況で、月12万円の返済に限界を感じています。
毎月12万円を返済に充てることが難しく、結局は借りては返しの状態。
そこで、ネットの知恵袋で相談したそうです。
受けたアドバイスは、おまとめローンで楽になるというものでした。
その理由は!
今よりも低金利になる、
面倒な数社への返済が1つになる、
審査に通った満額を借りればそれ以上借りられなくなる。
果たしておまとめローンが良いのか?
それとも任意整理か?

おまとめローンの落とし穴
相談者のケースを見ると、各社からの借り入れは全て100万円以下なので、金利は18%となっています。
また、360万円をまとめるとなると、消費者金融の利用は難しく銀行系となるでしょう。
この条件で、仮に、銀行系のおまとめローンで一つにした場合を考えてみましょう。
金利は10%以下になる可能性は高く、今より金利が安くなります。
5社への返済が1つになって面倒がなくなる。
審査に通った満額を借りればそれ以上借りられなくなる。
知恵袋によるアドバイスは、あながち嘘ではないように感じますね。
Point
利息が増えて結果的に総支払額が多くなる
相談者の場合、おまとめローンの利用の目的の一つに、毎月の返済額を減らしたいということがあります。
確かに、返済額を減らすことで、新たな借り入れをせずに返済していけるかもしれません。
一気には無理だけど、少しずつなら返済できる、と思っているはずです。
しかし、毎月の返済額を減らせば、返済期間は長くなります。
ここが注意するポイントです。
返済期間が長くなれば、期間が増える分だけ利息も発生します。
金利が安くても、場合によっては、まとめる前よりも多く利息を払うことになります。
更に、もう一つ。
おまとめで融資を受けたお金は、それまで借りていた各社への返済に使われます。
相談者の場合、借金の内訳を聞くと、元金300万円プラス利息分60万円の総額360万円が5社への返済額となります。
5社に関してはこれで終了となりますが、新たにおまとめを利用した先への利息が発生します。
おまとめを利用するということは、結果的に、現在の360万円よりも借金が増えることになるのです。
この仕組みを知らずに、金利だけを見て一つにまとめる方は少なくありません。
消費者金融に比べて銀行の方が確かに利息も低くなっているのですが、そのせいで「総返済額もかなり下がる」と勘違いをしてしまいがちなのです。
希望額よりも多い融資限度額の怖さ
おまとめローンの申し込みの際には、貸して欲しい希望額を提示します。
例えば、希望額を300万円だとします。
審査に通ると、200万円までならOKという希望額以下の場合もあれば、350万円までOKという希望額以上の場合もあります。
問題なのは、希望額以上の貸付をしてもらえる場合です。
本来は、必要となる300万円だけを借りればいいのです。
しかし、借金体質にどっぷりつかってしまっている方は勘違いを起こします。
「限度額の350万円まで借りておこう」
これは借金を増やしているだけです。
また、最初は必要な300万円だけを借りた方でも。
「まだ50万円借りられる」という甘えから手を出してしまう例は少なくありません。
ここで知恵袋のアドバイスを思い出してみてください。
「審査に通った満額を借りればそれ以上借りられなくなる」
確かにその通りです。
しかし、希望額以上のお金を借りてしまうことは、借金を増やすだけです。
返済の近道ではありません。
任意整理か?おまとめローンか?
知恵袋によるアドバイスには、任意整理という話もありました。
しかし、「任意整理をすると信用情報に事故歴が乗るため、後々のことを考えるとおまとめローンで返済した方が良い」という助言でしたね。
相談者には、マイホームを買う予定があり、このアドバイスが結構ひっかかったようです。
すぐの話ではないものの、借金を返済し終えたらマイホームを買いたいと。

その際に住宅ローンを組みたいので、信用情報に事故歴がのる任意整理よりもおまとめローンが最適なのでは?という質問もありました。
まず少し信用情報について説明します。
信用情報とは?事故歴とは?
かつて、金融機関やクレジットカード会社、消費者金融などが個人への貸し出しを盛んに行った時期がありました。
それと同時に、回収ができずに損失となるということが問題に。
そこで、信用情報機関というのが誕生したわけです。
この機関が信用情報として扱う情報は以下のようなことです。
・個人を特定する情報(名前、住所、携帯番号、勤務先などの情報)
・カードや金融機関などから借りている残高や返済状況
・事故歴と呼ばれる返済遅れや多重債務、自己破産など債務整理の情報
これらの信用情報は、銀行と信販会社、消費者金融などが情報共有できる仕組みとなっています。
相談者の方について言えば、5社からの借金に加え、返済の遅れがあります。
すでに「事故歴あり」ということになり、任意整理を避ける理由はないのです。
任意整理が返済への一番の近道
今回の相談者の場合、おまとめローンの利用は最適ではありません。
任意整理なら、支払いについて和解した後の利息は発生しません。
もしおまとめローンを利用していた場合の、新たに発生する利息がかからないのです。
任意整理でかかる弁護士費用は、相場でいけば12万程度です。
Point1
毎月の支払いも、一般的には3年、最大で5年での分割が可能なので、今より低くできます。
仮に360万円を3年とすると月10万、5年にすると月6万円。
Point2
また、任意整理をすれば、信用情報に記載されるため、新たな借金もできず甘えも捨てられます。
弁護士費用は和解後の返済開始までに分割で払えばいい
弁護士に依頼してから和解までは、通常2、3カ月程度はかかります。
和解後の返済スタートは、依頼から4カ月後、5カ月後というのはよくあることです。
返済スタートまでには5カ月間あります。
もちろん、借金の返済はこの間ストップします。
この間に分割で弁護士費用の12万程度を払えばいいので、月々2万5千円程度で任意整理を弁護士に依頼できるのです。
おまとめを利用するよりよほど任意整理の方が楽になりますね。
マイホームの夢も諦める必要はありません。
返済後5年、ローンを組む先によっては3年くらいでローンの審査が通るようになります。